つくりびとフォーカス

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大畑智海

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大畑智海

大畑は入社以来生産技術一筋に道を歩んできた。現在は生産技術部に属し、製造ラインの自動化プロジェクトに携わっている。約30人のチームのリーダーとして、完全自動化に向けた役割も大きい。

「効率化とコスト削減を担う自動化は日本国内にものづくりを残すための生命線です。そのプランを構想し、設計し、製造ラインに導入することが私たちの仕事です」

自動化はどのように進められるのか。大畑は“イメージをつくる”と表現するが、それぞれの工程を、機械や装置に置き換えたらどうなるか“想像”することが最初のステップになると言う。それをシステムとして構築するためにはどうすればいいか、メンバーと検討しながら、具現化していく。その過程では、製品の設計担当者と製造現場との綿密な打ち合わせを重ね、同時にスケジュール管理を徹底することも必要だ。また、装置としての耐久性・信頼性の向上とコスト削減の努力も欠かせない。人の近くで動く機械である以上、人に対する安全性の配慮も大切な要素だ。

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大畑智海

「私たちの作業は世の中にないものをつくること。ヒントは多くの場合、生活の中にあります。ニュースを見ているとき、遊びに出かけたとき、ふと目にとまったものがヒントになることもあります。机の前で頭をひねっていても、なかなかアイデアが浮かぶものではありません」

世の中の技術にアンテナを広げ、日ごろから使えそうなものに目を留めておくことも大切だと言う。生産技術という分野は、一見地味な印象を与えるかもしれない。しかし、生産工程を自動化するための行いが、高度にクリエイティブな作業であることは間違いない。

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大畑智海

大分キヤノンは以前から自動化への取り組みを推進してきたため、機械への置き換えが容易な工程はすでに自動化が完了している。つまり、残されているのは、人の手でなければできないような難易度の高い部分だ。

「例えば、米粒より小さいバネの取り付けや、部品を引き回しながら組み込むなど、複雑な動きが必要な箇所は、まだまだこれからの課題です」

さらに、製品のライフサイクルがますます短くなり、多品種小ロット生産が主流の現在、自動化技術には変化への柔軟な対応も求められる。特に、部品をつかむ部分は製品ごとに変わるため、最も汎用化が困難だ。大畑たちのミッションは、ますますハードルが高くなっている。

「理論はともかく、ニーズをかたちにすることがエンジニアリングの醍醐味です。できないと言わない。できる方法を考えること。技術屋として、そこは大切にしたいと思う」

インタビューの最後に、やるからにはとことんやりたい、と自分に言い聞かせるようにつぶやいた大畑の瞳には決意の固さがにじんでいた。

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大畑智海

私にとって“ものづくり”とは、挑戦であり、乗り越えるべき壁です。
そして自分自身を成長させるものであると思います。

どのようなものづくりも新鮮であり、難しさを含んでいます。それぞれのものづくりにおいて悩み、考え、努力して、一つずつ壁を乗り越えていくことで、成長していくことができると思っています。

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