つくりびとフォーカス

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長友真史

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長友真史

機械系の大学を卒業後、実力主義という社風にひかれて大分キヤノンに入社した長友。当初は生産技術課に配属され、その後、現在の部署に異動した。現在はモールド(プラスチック)射出成形部品の加工工程に関する量産化技術と、新しい加工技術の開発に取り組んでいる。

モールド加工技術には、金型技術、成形技術、蒸着技術、塗装技術、自動化技術など多岐にわたる要素が含まれている。そのため、一人の技術者で完結できるケースは少ない。技術を検討する部署と情報を共有し、検討を重ねることが重要な分野でもある。特に、部品の最適形状や金型構造の検討、新規の加工方法の開発などは、チームワークによる取り組みが欠かせない。

「部品の形状は製品によって毎回違いますが、測定・評価・分析技術などのデータをスタッフ間で共有し、データに基づいた改善を行うことで、後戻りしない技術の蓄積ができ、品質を安定させることができます」と長友は語る。

だが、”いつも簡単にうまくいくようでは、それはそれで面白くないと思う”と付け加え、難しい課題だからこそ挑戦しがいがあるという、根っからの技術屋気質の一面をのぞかせる。

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そんな長友が現在の部署に配属され、最初に取り組んだ大きな課題が、モールド成型部品の製造サイクルを短縮することだった。

一般にモールド射出成形は熱した樹脂を金型に流し込んで作るため、取り出すまでには一定の冷却時間が必要になる。長友は、この冷却時間を短縮できれば、製造スピードが大幅にアップすることに着目した。
社外秘のため詳細は避けるが、従来は油冷が常識だった工程を基本から見直し、冷却スピードのアップとコスト削減の両方を実現することに成功したのだ。長友が考案した新しい冷却方式は、いまでは大分キヤノンのモールド射出成形部品すべてに採用されている。

「こうした新しい加工方法の開発は、技術者のモチベーションにかかっています。一人ひとりの意欲と創意工夫が会社全体を進化させていくことを実感できたという意味でも、貴重な体験でした」

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ものづくりに携わったことがある人なら誰しも思うことであろうが、長友にとっても、同僚や関連する部署と検討を重ねて作り上げた製品が店頭に並び、お客さまの手に届くことが大きな力になると言う。

「仕事に自分の考えを盛り込めるチャンスは、世の中にそれほど多くはないと思いますが、その中で、ものづくりは数少ない自分の考えや判断が生かせる分野です。自分の考えたことがカタチになって世の中に出て行く。それこそがこの仕事の最大のよろこびだと思っています」

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長友真史

私にとってのものづくりとは、人と一番密接に関係しているものであり、人、組織、会社を成長させるものでもあります。

どんなに小さな部品にも、一人ひとりの知識や経験、ノウハウが詰め込まれており、さまざまな工程の人々と密に関係しながら作り上げていくことで、個人の質、組織の質、会社の質向上につながる実りの多い仕事です。

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