機械系の大学を卒業後、実力主義という社風にひかれて大分キヤノンに入社した長友。当初は生産技術課に配属され、その後、現在の部署に異動した。現在はモールド(プラスチック)射出成形部品の加工工程に関する量産化技術と、新しい加工技術の開発に取り組んでいる。
モールド加工技術には、金型技術、成形技術、蒸着技術、塗装技術、自動化技術など多岐にわたる要素が含まれている。そのため、一人の技術者で完結できるケースは少ない。技術を検討する部署と情報を共有し、検討を重ねることが重要な分野でもある。特に、部品の最適形状や金型構造の検討、新規の加工方法の開発などは、チームワークによる取り組みが欠かせない。
「部品の形状は製品によって毎回違いますが、測定・評価・分析技術などのデータをスタッフ間で共有し、データに基づいた改善を行うことで、後戻りしない技術の蓄積ができ、品質を安定させることができます」と長友は語る。
だが、”いつも簡単にうまくいくようでは、それはそれで面白くないと思う”と付け加え、難しい課題だからこそ挑戦しがいがあるという、根っからの技術屋気質の一面をのぞかせる。 |