モールド加工技術

キヤノン独自の技術が光るモールド成形

モールド加工技術では、カメラの部品や外装、レンズなどを量産ラインにのせるため、金型設計やインジェクション成形加工などの効率化、高度化を図ることで、量産体制の確立に貢献しています。

非球面レンズや、表面に光の回折現象を発生させる微細構造をもった回折光学素子(DOレンズ)などの製造には、レンズ生産で最も高度な金型製造技術をはじめ、独自の加工技術が注ぎ込まれています。精巧な非球面の金型は高精度で安定した成形のために欠かせない技術です。

前例のない加工法と向き合う

700℃に熱したガラス材料を、超精密加工を施した非球面の金型で直接プレス成形する「ガラスモールド」。ここにも大分キヤノンの最新の技術とノウハウが惜しみなく投入されています。前例のない加工法のため、ガラス材料、金型ともに素材から再検討し、温度と寸法変化の関係について何度もシミュレーションを繰り返しました。検討を重ねた結果高温でも狂いのない金型を実現し、現在は屈折率などの自由度が高いという特徴を生かして、高品位のガラスレンズ製造に活躍しています。

しかし、レンズ加工は、作業標準を遵守すれば良品ができるというものではなく、工程における変化をいかに敏感に察知し対処するかといった作業者のスキルが問われる分野です。大分キヤノンでは、この最新の技術を確立するため、日々チャレンジを繰り返しながらより速く低コストで大量に生産できる方法を追求しています。

金型設計・製造

3DCAD CAMを使った金型設計

ガラスモールドの金型(コマ)は
表面の精度が品質を左右する

塗装・蒸着

蒸着加工機でプラスチックレンズに
反射防止膜を蒸着

高温でも劣化しないよう
特殊なコーティングを施す

検査・メンテナンス

専用の機械を使った精密測定

高品位な部品製造のために、
金型のメンテナンスはとても重要

カメラボディを構成する機構部品

プラスチックレンズ

長友 真史