生産技術

国際的な競争に勝つカギがここにある。

「ものづくり世界一」を実現する切り札が、大分キヤノン独自の「生産技術」です。大分キヤノンでは生産設備の最適化を図るため、「治工具」や「自動組立装置」などの自社開発にこだわり、競争環境に打ち勝つものづくりをめざしています。

「治工具」とはカメラやレンズをつくる上で必要な調整や検査を行う装置のことです。カメラが完成に至るまでにはさまざまな治工具が必要ですが、これらを設計して、組立部門に提供することが生産技術部門の仕事です。製造現場からの要求に対し、ゼロから設計をスタートさせ、現場のニーズにマッチした治工具を開発するため、両者はつねに密接なコミュニケーションをはかっています。また、自動組立装置の開発には、つねに新しい発想とAIやIoT技術等の最新の技術が求められるため、さまざまな技術領域にアンテナをはって情報収集に努めています。

完全自動化を目指して

生産技術のゴールは製品の組立作業の完全自動化です。キヤノン本社のカメラ開発センターと協力して、装置で組み立てやすい製品を設計してもらうこと。また、製造工程や生産量の変化に、柔軟に対応可能な汎用装置を現場に導入することが大切な要素で、AIやIoT技術等、世の中にない新しい組立要素技術を盛り込み日々進化させています。

高品質で信頼性の高い製品を市場に送り出すには、生産技術もまた信頼に足るものでなければなりません。大分キヤノンでは、治工具や自動組立装置の品質や安全性を追求し、より良い生産の方法を日夜模索しています。

トライ&エラーを繰り返し、
極限まで完成度を高める

ブロックを使って、「動き」の研究
日々の積み重ねが新たな可能性を導く

AGV(自動部品運搬装置)システムの開発
により人の移動によるロスを大幅に軽減した

開発は、「個の努力」と「チームの連携」
によって初めて完成する

将来の技術力を担う人材の育成も
大事な「開発要素」のひとつです

知恵テクとは「知恵のテクノロジー」を略した造語。セル生産をすすめるうえで、作業をより効率化する道具を創意工夫によって生み出しています。製造現場のさまざまな要望を受け、従来よりも有用で低コストの道具が数多く誕生しています。

キヤノンでは、生産革新に貢献した道具の開発・導入に対し「知恵テク賞」として表彰しています。大分キヤノンからも数多くの作品が表彰されています。

「知恵テク賞」に入賞した優秀な事例は、常設の展示コーナーに展示されています。

入賞者にはトロフィーが贈られ、開発者たちの大きな励みとなります。

マウントキャップの定点取り「でんぐりマウント」は優秀賞に選ばれました。

小さなバネをワンタッチで取り付けることを可能にした事例。作業負担が大幅に軽減。

底面の板をスライドさせるだけで、次のトレーを取り出す事例。

片手でレンズキャップを外すことができる機構を開発。しかし、まだサイズも大きくコストもかかっています。

そこで、もっとシンプルで小型に改善。それでもコストはまだ結構かかっています。

発想を大きく変え、プラスチックの板にキャップ引っかけるフックをつけただけのものを考案。横から差し込んで引っ張るだけでキャップを外すことができます。小さくなっただけでなく、端材の利用で30円で出来ました。

大畑 智海